LLM(Claude Code)と一緒に技術書を読む(2025-06版)
2025-06-28
技術書の読み方(2022-11版)、技術書の読み方(2023-11版)に続く、技術書の読み方シリーズの第3弾です。
2023年からChatGPTをはじめとするLLMが急速に普及し、2025年にClaude Codeの正式版が登場しました。これらを活用することで、技術書の読み方が大きく変わったので、現在の方法を共有します。
技術書の読み方(2025年版)
購入方法
- 出版社から直接購入可能な場合は、出版社のサイトから購入する
- O'Reilly、技術評論社、翔泳社など
- ePub形式とPDF形式の両方が手に入ることが多い
- DRMフリーの場合が多く、扱いやすい
- ePub形式を優先的に選ぶ
- Claude Codeで読み込む際、図表の画像も含めて参照できるため
- PDFだとテキストのみで図が参照できない
読書環境の準備
- MacBookを使用(Claude Codeを動かすため)
- 画面を2分割にする
- 左側:ターミナル(Claude Code)
- 右側:PDFビューア(人間が読む用、体裁が整っているPDFの方がePubより読みやすいため)
- ePubファイルを展開する
unzip book.epub -d book_extracted/
- 展開したディレクトリをClaude Codeに参照させる
LLMとの読書セッション
- 1章1節ごとに読み進める
- 「2.1 LLMとは何かを優しく説明して」のようにリクエスト
- LLMが要点をまとめて説明してくれる
- 理解度に応じて質問
- わからない部分は都度質問
- 「なぜ?」「具体例は?」と深掘りできる
- 納得いくまで何度でも聞ける
- 章のまとめを作成
- 各章を読み終えたら、要点をMarkdownでまとめてもらう
- 本来は自分でまとめた方が記憶に定着するが、楽をしてしまっている...
- 質問内容や脱線した内容も加味して、LLMはまとめてくれて便利
- 復習時に便利
この方法のメリット
- 難しい本でも挫折しにくい
- 一人で読むとつまずく箇所も、LLMが優しく解説
- モチベーションを維持しやすい
- 理解が深まる
- 疑問点をその場で解決
- 別の角度からの説明を聞ける
- 関連知識も一緒に学べる
- 自分のペースで進められる
- 理解できるまで何度でも説明を求められる
- 興味のある部分は深掘りできる(例:「マイナー言語だと精度が悪いの?」と質問して詳しく教えてもらった)
- 話題が脱線して関連知識を学ぶこともあるが、それも楽しい学びの一部
実際の読書例
今回、この方法で『LLMのプロンプトエンジニアリング』(John Berryman、Albert Ziegler著、オライリー・ジャパン)を読みました。
左側:Claude Codeでの対話、右側:PDFでの本文確認
注意点
- 図表の理解
- ePubなら図も参照できるが、複雑な図は人間側のPDFで確認
- Claude Codeは画像ファイル(.png、.jpg)を認識して内容を説明できる
- ただし、フローチャートや複雑なアーキテクチャ図は、細かい部分を見落とすことがある
- 例:「図4-1のループの仕組み」をClaude Codeは大まかに説明できるが、矢印の向きや細かいラベルは人間がPDFで確認した方が正確
まとめ
LLMと一緒に技術書を読むことで、以前は挫折していた難しい本も最後まで読み切れるようになりました。特に、その場で疑問を解決できることと、楽しい対話形式で進められることが大きな違いです。
参考
- Claude Code - Anthropic社のAI開発アシスタント
- LLMのプロンプトエンジニアリング - 今回読んだ本